n

                                      剱岳  /  剣尾根(悪天によりコルCより敗退)        2008年8月13日


今回は番場島から剣尾根〜チンネ継続を目標に出掛けてみた。

8/13 

取水口(6:10)〜雷岩(7:10-25)〜小窓尾根1600m(8:40-55)〜池ノ谷二俣(10:30-50)〜R10取り付き(11:50)〜コルE(12:30-45)

〜Dフェース(13:10-14:00)〜コルCビバーク(14:30)

タカノスワリは取水口から巻いてここに降り立つ

車は取水口下の河原まで入ることが出来た。

すぐに出合う池ノ谷

小窓尾根から池ノ谷を見下ろす。上部が二俣

雷岩〜小窓尾根〜池ノ谷はしっかりした道が付けられていた。
下草まで綺麗に刈って有り、しかもフィックスまで新しかった。

予想外の歓迎ムードに喜びつつ、快調に小窓尾根に乗る。道が良いとはいえ人の気配は皆無。「点の記」の撮影の為だったのか?たぶんそうだろう。

                    池ノ谷二俣

日本離れした景観だ、雪渓は安定していて殆悪場は無かった。水5Lをこの下で汲む。

 二俣から左俣を詰める

はるか先のコルが三ノ窓


意外や落石が少なく、雪面は綺麗なものです。

下部を振り返る

ここがR10入口

二俣から右手にそれらしきルンゼが2つ3つ出会う。どれもR1
0では無いと言う確信が持てず、不安な気持ちで更に詰め上げる。予想外に時間が掛かり、もしかして、やってしまったか?と思った矢先、R10と見てすぐ分かるルンゼが右手上部に確認できた。二俣から40分位かな。二俣からは傾斜が強くなり6本ツメアイゼンを初めて着けてみた。コイツ意外に使える。

取り付きの雪渓はパックリ口を開けて緊張させられた。間違って落ちない様に慎重に飛び移った。


R10上部

濡れている部分も有りますが、そんな苦労する。もなくコルEまで上がることが出来ました。

所要時間は40分。     

コルEから正面のリッジを辿ります。


きわどい木登りっぽい所も有ったが、まだまだ平気。
右下には
これ見よがし的に完璧に4−5テンの張れる天空のテンバが奇跡的に現れる。

池ノ谷右俣を見下ろす

コルDから見る岩峰

ここはロープを出す(4級)。トラバースぎみで懸垂、ユマーリン
グが面倒な部分もあった。

その先は猛烈な逆走藪漕ぎで、ウエアーザックに穴を空けてしまった。

左手は小窓尾根

藪漕ぎを50mすると門の見えるコルCに到着です

ここまで順調で、今日中に下半部を終える事が出来そうな雰気。ロープのセットを終え、登りだすと突然、ザーッと雨が降りだす。何たるこった。合羽を羽織り暫く待つが、ガスも立ち込めて、況は悪化の傾向。雷も鳴りだしてきた。コルまで戻りテントをり小一時間様子見るが、雨も本降りになってきたため、諦めコルCでビバークすることにする。

本当はコルBまでは無理ても進みたかった。明日の天気は悪い予報なので、もし、予報通り悪く、退却せねば成らなくなった場合、白萩川渡渉は恐らく出来ないと思う。となると、R2を下って三の窓〜剣岳〜早月尾根で下山せねばならないからだ。

テントは各コルごとに1張は可能だ

8/14    コルC(9:00)〜コルE(10:20-30)〜雷岩(12:30-45)〜取水口(18:30)

                      翌朝の門


9時まで待ったが、天気は回復せず、雷雨注意報が出たのをき
っかけに、撤退を決める。さて白萩川に下るか三ノ窓へ登るか判断に迷うところだ。後者の方がリスクは少ないと思うが雷の直撃を受ける可能性も有る。それより、本峰まで登るのもかったるい。で、白萩川の渡渉に賭ける事にした。最悪渡れなくても、ビバークして水嵩が下がるまで待てばいい。

コルEまでは懸垂交じりで下降した。

       R10取り付きから池ノ谷左俣を見下ろす


二俣から下は晴れていた。その下で、これから剣尾根に行くと
言う4人パーティーに会った。今後の天気予報の事は知らないらしい。一応ルートの状況を伝え別れた。こちらは小窓尾根を下降する辺りから予報通り雷鳴が轟き、ついにバケツをひっくり返したような雨が落ちてきた。何度も転んで必死に雷岩を目指す。メロスの様に。その甲斐あって、白萩川は間一髪セーフ。思わず胸を撫で下ろす。

しかし、その先、右岸に渡ってから昨日、降りてきたばかりのカノスワリの巻き道の入り口が分からない。右往左往する僅かな間に白萩川は轟音を伴った鉄砲水が押し寄せてきた。さすが身の危険を感じ、咄嗟に右の斜面に取りついた。そこからが長かった。すぐ、雷、雨脚は最高潮に達し、斜面上部から漬物石大の石がゴロゴロ落ちてきて、半ばパニック状態に陥ってしまった。巻き道も見つからず、何回、懸垂、登行を繰り返しただろうか。全身ずぶ濡れで何とか車に戻れた時にはすでに日が暮れかかり、運転席の床にはこんな事も有ろうかと、わざわざ防水加工した地図が落ちていた。結局、雷雨は4時間も続いた。

河原に止めた車は間違いなく流されているだろうな、と諦めていたが、全然大丈夫でした。

 

 

inserted by FC2 system