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北岳バットレス |
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写真は下部フランケこのバンドを右にトラバースしてピラミッドフェースへ
私がDガリーの下部岩壁に着いた時にはすでに10人以上の方が取りついていて、落石がどうのこうので、ヒートアップして嫌な雰囲気が漂っていました。
そんなの見たくないので、わたしは第5支稜から上のバンドまで上がり、サッサとピラミッドフェース上部に取り付きました。
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岩はフリクションばっちり。天気も良く、超気持ちい〜。 |
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一応、全ピッチロープを出しました。
この上で4尾根を行く会のメンバーを確認。一言二言、言葉を交わす。
先ほど、下部岩壁にいた人達は、すべて4尾根に入ったみたいです。
そんなわけで、4尾根以外は私だけの貸切でした。4尾根はそんなに魅力的なルートなのか?冬季の単独はいいかも。
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4尾根に出る最後のコーナークラックは草が詰まって、ワンポイント思い切りが必要な部分が有ったが、その他は快適でした。
4尾根に出ると、えらい渋滞で、全然進まない。
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案の定と言いますか、先ほどのDガリーで事故が有り負傷者がヘリでピックアップされて行った。
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4尾根から見るDガリー奥壁
写真では結構立って見えますが、実際はもう少し寝てました。
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取り付きの4段ハング
ガイド本には「ハーケンが豊富で見た目ほど難しくは無い」と出ていたが、残置は少なく、私にとっては見た目通り難しかった。
2時間かかって、マッチの懸垂点に到着。そこから続けて2pの懸垂で奥壁の取り付きに。
ピラミッドフェースの最後のピッチから奥壁に継続しても良かったが、マッチ箱の懸垂をしてみたかったので、渋滞覚悟で4尾根経由にした。
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4段ハングを抜けた所から上部を見るガスの中にぼんやり見えるのが城砦ハング
壁奥取り付きに着くと同時に大粒の雨が降りだし、ハング下で雨宿りをする。1時間弱で雨は止み、時間が無いので、すぐにスタート。
当然、岩はすぐには乾かず、スタンスが滑り、どうにも、フン切れ無い。信頼できるハーケンを打ち足し、AOで何とか抜ける。
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2p目の濡れたクラック
クラックはフリクションは全く利かずツルツル滑りまくる。ナッツを1−2個ランナーにして、#2のキャメロットを頼りに前進する。ビレー点は無く、ハーケン2枚を打って懸垂支点にした。
ユマーリングを終え2p目に入ると、又しても雨が降り出した。城塞を目の前にして、それは無いだろうと、天を仰ぐが、仕方ない。しばらく待ったが、更に雨脚が強まり撤退することにする。
明日の天気に期待して、ナッツ、カムを固め取りしてからロープを2本繋いで、取り付きテラスに戻りビバークする。
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テントの張れるテラスが有ってラッキーであったが、テントの外1/3は宙に浮いていたから、ベンチレーターからフィックスしたロープを引き込み、末端を輪っかにして、その中に入って寝た。
ロープが付いてるので、100%安全なのだが、テントごと落ちる夢を何度も見て、起こされた。
雨は一晩中降り続き、ロープを伝った雨でテント内は水浸しになってしまった。
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3日目 9/17 BP(7:05)〜終了点(10:40-11:20)〜北岳(11:50-12:00)〜広河原(15:05) |
昨晩は半ば諦めモードで、撤退の段取りをあれこれ考えていた。翌朝6時頃起きると雨は上がり、富士山も見えた。喜び勇んでカロリーメートを頬張りすぐに撤収する。 岩が乾くのを待って、7時にフィックスを辿った。
ユマーリングとは言え、たっぷり雨を吸い込んだ装備が肩に食い込む。岩は昨日とは雲泥の差で歩いて攀れるくらい易しく思えた。が、しかし、3p目に入る頃にまた雨が降り出した。ここから4尾根に逃げることも可能であるが、せっかくここまで来たのだから、最後まで奥壁に固執する。
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最初のチムニーはスクィーズでギアを付けては身動きが取れずに、手こずってしまった。
雨も流れ込み全身びしょ濡れになり厳しかった。ユマーリングは中には入らずに外のフェースを登った。残置ハーケン、ボルト類は殆ど無かった。
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2段目のチムニーは広くなり、スタンス、ホールド共豊富で問題無かった。
最後のチョックストーンを潜って右にトラバースすると4尾根最終ピッチに合流。
終了点には4尾根を上がったパーティーが休んでいた。自分もゆっくり休んで、その後、初めての北岳を踏んでから下山する。
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雨の中4尾根を攀る人
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