v

                          八ヶ岳 / 稲子岳・南壁左カンテ              map         2015年5月6日 


昨夏負ったケガがぼほ完治し早速、八つの中山峠から中山に至る稜線直下の東壁?と、かつて登られていた稲子岳南壁に行ってきた。初めての山域であったが、意外とアルパインクライミングの面白さを実感することが出来た。 

5/5(晴れ) 
稲子の湯先のゲートP(7:00)~シラビソ小屋(7:55)~稲子岳への分岐地点(8:35)~中山東壁基部(9:10-25)~稲子岳左カンテ(10:00-15
)~山頂(10:50-11:10)~ニュウ(11:45)~ゲートP(13:20)        

シラビソ小屋から望む天狗岳

稲子の湯の駐車場から約1時間でシラビソ小屋に着くと、こんな絶景が迎えてくれる。小屋下から残雪が現れる。

今回登った稲子岳南壁

中山峠下で登山道を離れ稲子岳への赤テープを辿り、崩壊地点を過ぎた辺りから左に進路を変えて稜線方向を目指す。残雪にはトレースが無かった。

小屋から30分の所から登山道を離れる

5月の八ヶ岳は初めてだったが、予想以上に雪が残っていた。

稲子岳に行く踏み跡から左にそれて急斜面の草付きを中山東壁基部まで慎重に上がるりニュー方面へ行ける所まで行ってみる。
 岩には人工物は一切無く、かつて人が入った痕跡は全く感じられなかった。登れそうな部分は有るが全体として崩壊が激しくリスクを伴うクライミングは得策ではない様だ。

4本足のカモシカ君にとっては楽園の様だね


 

再び稲子岳への点線登山道に戻り、南壁基部からバンドを辿るとリングボルトが乱打された人工ルートが2ルートほど確認できる。フリーでも行けそうなクラックのルートもいくつか取れそうだ。
 それに開けた南面で落石の心配も無さそうなので、腰を据えて再開拓なんてのも良いかもしれない。

岸壁その2

この崩壊ルンゼの荒々しさは穂高を彷彿させ、緊張モードにスイッチが切り替わる。

目当てのルートはバンドを行ったり来たりしてみたが分らず、まさかとは思ったが崩壊中のルンゼを横切って見上げるとソレが確認できた。そして10mほどの急な草付きを上がると、新しいボルトが連打されていた。このルンゼから先は東壁と思い込んでいたので、見つからない筈だ。
 
中山峠からアプローチするのなら仕方ないが稲子からの場合はシラビソ小屋からすぐのところから樹林帯に入り北西に進んだ方が効率が良いし、何よりも安全だと思う。
 カモシカが上部のガレ場をうろうろして石を落していたので、出来ればトラバースは避けたいところだ。

取り付きの様子

昨年の8月の墜落以来だったから、それがトラウマになってるかな―と心配したが、全然平気だった。

10m上がった所からさらに上を見上げる

左横の迫力ある岸壁群

ルートグレードはⅢ級程度だが左右は切っ立った壁で高度感が有り、雰囲気は素晴らしい。
 グラグラする大石が有ったりして、適度の緊張感を味わいつつ楽しいクライミングになった。

だいぶ上がってきた。

適当に弱点を上がると稜線はすぐそこ。

稲子岳山頂から天狗岳を望む。山頂一帯は赤土が出ていて、コマクサが群生するらしい。登りだして40分で稜線に出る事ができた。終了点が山頂ってのは実にいいものだ。
 しかし、ルートを通して、新しいボルトが散見される。ビレーが必要ならナチプロで十分対応できるはずだが、なぜ?こんな素晴らしいアルパインルートにピカピカなボルトは痛々しく見えてしまう。

稲子岳からニューまでの樹林帯は残雪に覆われていて、コンパスを見ながら樹林帯を抜けた。雪が消えると、踏み跡は有りそうだが、赤テープは無い。もしかして、稲子岳ってバリエーションルートなのか?

ニューから臨む麦草峠方面。ここから見る北八ツの風景は格別だ。ここから1.5時間で無事に稲子に下山できた。クライミングは私とカモシカ君だけで、静かな山を満喫できた。
 2時間のアプローチは悪くないので次回は他ルートを是非狙ってみたい。また天狗岳東面はスキーが出来るかもしれない。

稲子岳南壁左ルンゼを動画で振り返える

 

inserted by FC2 system

inserted by FC2 system